メランコリーのはなし
このあいだ、星の王子さまの翻訳がいろいろありそう、と書いたあと、どれくらいあるのか気になり、ネットで調べてみました。そのなかの一つのサイトで、melancoliqueという単語をとりあげて説明しているものがあって、興味を持ちました。
カタカナでメランコリー、という言葉も見たことはありますが、いまいちぴんとこない言葉です。星の王子さまでは、かなしい、せつない、はればれしない、憂いに満ちた、さびしいなどといろいろに訳されているようです。まず、あてはまる日本語の単語がない、ということじたい、おもしろいなあと思いました。そこからいろいろなことが見えてきそうな。
でも、日が沈むのをながめる王子さまのきもちを想像しているうちに、わたしにもなんとなく、melancoliqueがイメージできてきました。単純に悲しいとか、憂鬱だとかのただマイナスなきもちではなく、心地よさもあるような、ちょっとうっとりするような、胸がうずくような、そんなイメージです。ちょっとちがうけど、「哀愁」という言葉も近いのかな?と浮かびました。
そういえば今年の秋はいままでになく夕暮れの美しさが胸にしみいるようで、チャンスをみつけては眺めていたような気がします。
秋になってもあまり寒くなかったことや、帰宅時間がちょうど夕暮れのころだったせいもあると思います。
仕事が終わって、いそいで帰らなくてもよい日は、テラスモールのベンチで、セブンイレブンのコーヒーをのみながら、暮れていく空を見てぼーっとしたりしていました。そんな折にいちどストリートのライブみたいなもので、中島みゆきさんの曲が聞こえてきて、聴いていたら涙が出てきてしまって困ったこともありました。更年期かな、と思っていたのですが、もしかすると、あれはメランコリーだったのかもしれません。